「何故・・・そう思う」
「いや、先輩、基本的1人が・・・」
「嫌だったのか?」
いつもと違い、リクは一方的に攻撃してくるような口調で言ってきた。ムキになっているようにも聞こえる。
「嫌やなくて・・・うちがおったら邪魔かな・・・と」
「俺にとってか?」
「うん・・・」
力なく答えると、リクは背筋をピンと伸ばし、腰に手を当てて言う。
「俺は1人が好きなんじゃなくて、単に俺と一緒にいたがる奴が、皆嫌な奴だからだ」
「先輩・・・その人んたぁ、拒否しとったんですか?」
「ああ。いてもらっても嬉しくないし、不快だ」
苦々しそうにリクは言う。
(まぁでも、しゃーないな。先輩モテるし、人が寄り付いてもおかしくないし)
―多分それは、気持ちとしてはうちも同じ。
そうに決まってるな、と思い、肩を落とすとエリカは引きつった顔で下を向いて笑う。
「なに・・・笑ってる」
「あ、見えました?」
きっとそのときの自分はひどい顔で笑っていたのだろうな。
余計に恥ずかしくて笑えて来た。


