ごめんよ・・・と、エリカが言いたがっているのが伝わったので、キャプテンはもっと明るく笑って振舞った。

部屋に戻ると、キャプテンは自分のみを敷きっ放しで放置してあった布団に身を投げた。まさに「ダイブ」だ。
ドシン、と重量感のある音が響いた。他の部屋にも響いたのか、弟のタダムがクレームを出しにキャプテンの部屋までやってくる。

「ちょっと、布団にダイビングして遊ばんといてよ、勉強しとるんやで」
「今は好きにさせてくれ・・・。ショッキングなことがあったんよ・・・。」
「んなもん知らんし。宿題終わるまで静かにしとって!」

弟に言われるだけ言われ、キャプテンはますます肩を落とす。

「冷たいぞ・・・我が弟よ・・・。」

アニメでよく聞く「チーン」という効果音がよく似合いそうな気分になる。

「エリカちゃん・・・うち寂しいよぉぉ!」
「あーもう、うるっさい!GL発言は後にしてよ!」
「何ィ!?」
「そりゃあ高校生になれば好きな男ぐらいできるやろ。」
「そういうことやないって・・・学校行事で。」
「そりゃ仕方ないやろ」
「そうやけど・・・!」

タダムが出て行くと、キャプテンは大きく息を吐く。