トリップ


忘れてた。
そんな顔をするキャプテンを見て、ケイラは頬杖をつく。

(コイツ・・・俺と話す気ねぇのかよ。)

右頬を膨らましながらケイラは思った。キャプテンは漫画に夢中で、自分のことなど今は眼中に無い。そんな風に見えて気に食わなかった。
一方、キャプテンはケイラの様子に焦っていた。
 
(やばい・・・何かむくれとるし・・・。怒らせた?いや、機嫌損ねたんかな?何で?ふうんって言う言葉で返したからかな・・・?)

次に出す言葉を考えながら、キャプテンは漫画で顔を隠す。

(おかしいな・・・いつものケイラならこんな気まずくないはず・・・)

焦っているキャプテンに、ついにケイラが口を開いた。

「お前ってさ」
「?」
「いつも普通に話しかけて来るよな?何で今日は気まずいんだよ。」
「いや・・・ケイラだって黙りがちやし・・・」
「・・・お前が話しかけてくれねぇから、いじけてたんだって・・・」
「いじけてたって・・・お子様か」
「ち・・・。ニブい女。」

ケイラの言葉に、キャプテンは首を傾げた。

「ニブい?何が?」
「っ、それは・・・」

そう言われるまで、ケイラ自身、自分の発した言葉に気付かなかった。
つい口から出てしまった本音を聞かれ、ケイラは戸惑う。顔に熱が伝わってくるのが分かる。頬が熱くなった。