キャプテンはそう言いながらエリカを見る。
彼女は、何もないよと言いたげに笑う。悪い気がしたが、守り屋の事をばらすわけにはいかなかった。
そして、話を流すようにエリカはキャプテンの手を引いた。

「キリちゃん、せっかくやから一緒に帰ろ。」
「ああ、うん。ジュマは…」
「いっ、いえ、私は向こうの方に住んでいるので、ここで別れます。」
「そっか…」

そう言うと、ジュマはキャプテンとは真反対の方に帰って行った。

(ジュマの奴、何で躊躇っとったんやろ?隠し事?家にエロ本でも隠しとったんかな?)

裏社会のことは全く考えず、キャプテンは呑気にそんな事を考えていた。