(またかよ・・・。)
そんな事言ってられる場合では無いのだが、冷静に周りを見渡した。
その中に一人、ナイフを持った少年が目に入った。
ケイラだ。
「あ、お前・・・」
「あら、殺し屋さんか」
恐怖で平常心が凌駕されたのか、その恐怖すら、自我崩壊に凌駕された。
「あははは、どーもー・・・♪」
「完全に自我崩壊してるぞお前。」
早くもキャプテンの自我崩壊を察したのか、勢いよく突っ込みを入れた。
それに目を覚ましたのか、キャプテンは一気に青ざめた。
「こ・・・殺すなら・・・早めにお願いしま・・・」
「だから殺さねぇっての。」
「へーそうなの・・・って、ええええええぃッ!?」
「そこまで驚くかよ。」
そりゃ、殺し屋に見つかって「殺さない」と言われたら、誰でも驚くだろう。
「何で・・・?」
「・・・何となく、かな?もったいなくて。」
「うちは物ですか。」
「どうでもいいけど、お前こそ何しにきやがった。」
「お届けもの。この箱を届けに・・・」
そう言おうとした瞬間、ケイラがナイフで箱を切り裂いた。


