10回戦ほどやっただろうか、疲れて足を慣らそうとシュンリが歩いていると、箪笥の一番下が目に入る。
『7月25日まであけるべからず!』
「・・・今日?」
独り言で首を傾げると、シュンリはゆっくりと箪笥を開ける。
すると、中から出てきたのはみずみずしく小枝のような太さで、真っ白な物体だった。
しかもそれが無数に生えている。
まるで髭のようなその物体にシュンリは腰を抜かした。
「キャーーー!!」
「ぬおっ」
いきなり響いたシュンリの声に、キャプテンも驚いて急いで駆けつける。
「どした!?」
「髭・・・髭・・・」
「髭?」
シュンリの指差した方を見ると、たんすの中に先ほどの物体。
しかし、キャプテン達にとっては日常的なその物体を見て、ホッとしてキャプテンは力を抜く。
「大丈夫、これもやし。」
「モヤシ?」
「野菜やよ。たんすン中で育てれるでさ。」
「食べ物?」
「うん。回豚鍋に出来るでうまいよ。」
「ア!ホイコーロー!」