華と月

「皆~お待たせ~」

入ってきた人は、新体操の顧問、如月百合だ。

如月は、走ってきても息が乱れてない。

「部長と紗来さん、座って」

如月に促され、部長と葵は座った。

「え~と、今日はお知らせがあります
皆さん、体育祭での演技見事のものでした
お疲れ様」

如月は、ニッコリと微笑む。

部員からは、拍手が上がった。

拍手が止むと、如月が喋りだす。

「続けて、大会があるからちょっとバタバタしちゃうけど、他校からの試合の申し込みがあったの
試合と言っても、向こうの部員さんが私たちの部員と戦いたいと言ってきたの
こちらとしては、大会の練習をしたいし時間を裂きたくないのだけど…
先方の強い願いで受けちゃったわ」

如月がテヘっと、少女のように笑う。

「え~!!マジ……本当ですかぁ?
相手は、まさか?」

「ふふ…そのまさかよ」
「はあ~………」

部長が、大きくため息をつき肩が項垂れた。

「まぁ、宿命のライバルじゃない頑張ってね
部長♪」

如月は、ふふふと笑いながら部長にウィンクした。