華と月

まだ夜が明けぬ頃…

葵1人、目が覚めた。
隣で吐息が聞こえると、柊のほうを向いた。

葵の首には、柊のたくましいで腕枕をしていて
もう片方の腕は、背中に回されていた。

柊のサラサラで銀の髪を見ていると、葵はそっと触る。

すると、柊のほうに引き寄せられた。

「きゃっ…」
葵は、かぁっと一瞬で赤くなった。

「どうした?眠れないのか?」と柊は微笑む。

葵が、こくりと頷くと
柊は、おでこに優しく口付けをする。

柊は、葵のこげ茶の髪を触ると
「何故、俺に抱かれた?」と聞く。

葵は、バッと顔をあげると「一夜の供で満足したのか?」と柊の猫目は鋭く光って見えた。

葵の瞳から、ポロポロと大粒の涙がこぼれた。
「そんなつもりで…」

柊は、葵が泣くかも知れないと解った上での
質問だった。

柊は、泣いている葵の上に覆い被さる形になり
「では、俺の妃になる覚
悟はあるのか?」と聞くと
葵は、涙を流しながらも
「あるわ…、中途半端な気持ちで抱かれた訳じゃない」そう答えた。

「では、お前の家族はいいのか?」
「それは、まだ迷ってる。
だけど…私にとって家族も柊もどちらも同じように大事で大切な存在なの…
二度と会えなくなっても、捨てた訳じゃない…
それが、私なりの答え」

葵の瞳は、力強く輝いて見えた。