華と月

「出発!」
柊が言うと、ラクダが動き出す。
土埃が舞い上がり、その風が拭き取ってくれた。

後ろの列からこんな声が聞こえる。

「ねぇ、アゲハ姉さん?」
「何?レイラ」
「柊皇子は、ずいぶん積極的ですねぇ…」とレイラは言う。
「そうね…、レイラ
楽しみだわ」とアゲハは笑った。

そんな会話が、成されてるとも知らずに柊は葵を抱きしめていた。

葵は、自然と柊に抱きしめられる事が気持ち良くなっている事に、まだ気付いてない…。