華と月

後ろを気にする様子もなく、ハヤトはただ前を向いていた。

相変わらず、ラクダは一定のスピードを保ちながら歩いている。

時折、風があるものの
砂漠では皆沈黙していた。           葵の額にも、じんわりと汗がにじむ。

「ふう…」
葵が息を一つ吐くと
「どうした?やっぱり暑いよな、退屈か?」と柊は聞いてきた。

「ううん、そうじゃないの…今日は風があるほうなんでしょ?
だったらいつもは、これより暑いのかなぁって考えちゃって…」

「そうだな、だいたい半分くらいか?もう少し先にオアシスがある。
そこで休憩しよう」
そう言いながら、柊は葵の頭をポンポンとする。

葵は、うんとただ頷いた。