華と月

男は、足を止め蓮の池の前にいた。

男は、蓮の花をいとおしく見つめていた。

すると、遠くから走ってくる音と誰かを呼ぶ声が聞こえた。
「…さん、ライフさん…!!」

その声にライフは振り返り、驚く。

「君…」

葵は、肩で息をしながら
ライフに近づくと

「ライフさん、私貴方にどうしても伝えたくて…

と、そう言う
葵の瞳には、力を感じさせた。

ライフは、葵の力強い瞳に引き込まれこくりと頷く。
葵は、口をゆっくり開くと
「……蓮の花は、感謝していました。
とても大切にしてくれた、ラキアさんに゛ありがとう゛と伝えて欲しいって…
花の命が、もう直ぐ尽きるから悲しまないでって
そう言っていました。」

葵の言葉に、静かに目を閉じたライフ。

そして、目を開けると悲しいような切ないような顔で、ふっ…と微笑んだ。

ライフの様子に、葵はハッとなる。

「知って…いたんですか?」

「ああ…」