いい声で"鳴く"君、世界のどの鳥よりも美しく、そして淫らな声。 だけど悲しくて"泣く"声は聞きたくないんだよ。 ………歌姫、そんな声で鳴かないで。 「この歌姫って、誰のことなんだろうねえ?」 「さあね、まあ、相当いい声で鳴く歌姫なんじゃない?」 ある晴れた日常、ヤスが笑ってる。 ヤス、あんたの声は、確かに泣かずに、誰かの耳に届いてる。 もう、歌姫は泣かないんだね。 だから、私も隣で闇の道を、弱々しくても照らし続けよう。 悪魔のお望み通り、ね。 歌姫、そんな声で鳴かないで! 【完】