【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!

ヤスに冷たいお茶をもらい、二人で移動したのは駐車場の隅の木陰。



「今日…呼んでくれて、その、ありがと、ね。」



私はまず、そのことを伝えなきゃ、と思いヤスに投げかける。



隣のヤスは、アイスコーヒーの缶を片手に、もう一方には煙草を挟んでいる。



煙草の煙をふー、と吐き出すと、ヤスは私を見ることなく、声を発した。



「アスカ、月野森きららのデビューの渋谷ゲリラ、いたでしょ。」



「ん、いたけど。知ってたんだ。」



私が返すと、ヤスは初めて、私に目線を向ける。