高校生になって二回目の春。 クラス変えなんてものはこの学校のシステムにはない。 だから、全く新しい感覚もなく、二年生へと進級した。 「そういえば木酪君、5月まで休みなんだよねー。寂しいや。」 変わらず友達でいる香織は、2月末からいない地味山ダサ男の席を見て微笑む。 「木酪泰則なんて、いてもいなくても変わらないじゃん。」 なんて私が返事すると、香織はあはは、と笑う。