走って行く車と、握らされたチケットに、笑みが零れる。



「本当に、そんな態度、柄じゃないっつーの、ばーか。」



ろくなことをしてくれないヤスからの、初めての嬉しいプレゼント。



三ヶ月、会えないけれど、その分この日が楽しみ。



ヤスが私に何を伝えたいのか分からないけど、その日を待とう。



きっと、香織を誘ったら、泣いて喜ぶだろうな。



きららはチケットが本当に取れないから。



私はもらったチケットを大事に握って、家の中へ戻るために、進み出した。