「ミタカカオリとでも。」



そして、さっきの私よりもっとぶっきらぼうな声で、ヤスが私に言って封筒を渡す。



「最終日の幕張メッセのチケでしょ?もっとスマートに渡せばいいのにねー?」



「うざい優斗。」



そんなヤスをからかう兄貴を、バッサリと言葉で切るヤス。



「絶対来て。…アスカに、伝えなきゃいけないことがあるから。」



ヤスは、言いたいことだけ言うと、振り返りもせずに兄貴の車に乗り込んだ。