ヤスの手が、私の濡れた髪の毛を掬う。



もう片方の手は私の腰に回っていて、身体を解くことは出来ない。



「CM観たよ。PVの時より、綺麗でムカついた。」



「いや、ムカつかれても…。」



ヤスは、私のことを綺麗だと言うけど、私はそんなに綺麗な存在じゃないよ。



「どうしてアスカは、俺のためにそこまでしてくれたの?」



掬った髪の毛で遊びながら、ヤスが耳元で囁く。



言えない。ヤスを好きだからなんて、絶対困らせるだけだから。