「あんた、怖いもの知らずだよね。ウケる。」



ヤスもヤスで、もうどうにでもなれと言うように、口調もいつもと同じだ。



「私、木酪君怖くないよ。だって私、飛鳥の友達だよ?」



「…そうだな。その地味眼鏡の友達なんだったら、肝っ玉も据わってるか。」



それは、一体どういう意味だ。



それに、ヤスの今の格好の方がよっぽど地味だし。



だけど、香織と話すヤスは、前とは決定的に違う気がする。



相変わらずどす黒だし、瞳の漆黒は濁ってるけど、もうヤスは泣いていない、と確かに言えるから。