【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!

控室が隣同士だったのだ。



どうせ社長の手回しだろう。こんなに近くに置かれると、絞め殺してやりたくなる。



滝本ヒデロウの楽屋に、挨拶をするという名目で入った。



笑い転げそうなほど慌てた奴の顔が見えた瞬間の喜びと来たら、何物にも変えられない。



まあ俳優をやっているというだけあって、すぐに偽物のポーカーフェースに成り代わる。



そうだ。そう来なくちゃ。そしてそのポーカーフェースを、再び笑いぐさになるような顔に、崩してやる。