某日。社長に言われた日、私はとある場所で待たされた。



そこに私を迎えに来たのは、ヤスのマネージャーの右京さん。



「あなたとまた会うことになるなんてね。」



右京さんは複雑そうな顔で笑うと、ギア式の車を発進させる。



「芸能界に入るのは嫌だとあんなに断ったのに、何でヤスのためにそこまでするの?ヤスが好き?」



「…分かりません。寧ろ、あんな悪魔みたいな奴、嫌いなはずなのに。だけど、あいつが墜ちて行くのを、止めたいんです。」



停車のために、ギアを忙しなく動かす右京さんの手を見ながら答える。



すると、右京さんの柔らかな声が返って来る。