社長は私の答えに、ふん、と鼻を鳴らして笑う。



「構わないわよ。そのかわり、ちゃんと仕事をしてもらうから。」



優雅に髪の毛を掻き上げる社長。



そんな姿えあの男に似ている。ああ、ムカつく。



「商談成立ってことで大丈夫かしら?」



「はい。」



社長の差し出した生っちろい手を、私は握り返す。



あのぴりぴりした空気にまた入るのかと思うと、かなり気が重い。



けれど、自分で言い出したことだ。やり遂げてみせる。