【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!

「木酪君って普段は派手なんだねー。でもいいと思う!」



「いや、あれは花巻と僕が誤解されないようにって優斗さんがああしてくれたんだけど…三鷹さん、凄いね。」



香織に対応するヤスは、やっぱり地味山ダサ男な『木酪泰則』だ。



こうやって、平然と嘘をつくヤスの心は空虚なんだろう。



彼の心を空虚にしたのは、一体誰で、その誰かをヤスは濁った漆黒で塗り潰したいくらい憎んでいるのだろうか。



私は、平気で嘘をつくヤスに、胸がズキズキと痛んだ。