学校に行っても、それがぐるぐるぐるぐる頭を駆け巡る。



ヤスはキャンペーン期間が終わったため、学校復帰している。



相変わらず長い前髪と不自然なくらい大きな伊達眼鏡が、地味さを引き立てている。



何一つ変わらない、学校の、クラスで一番の地味男『木酪泰則』がそこにはいる。



どうして私があの男のためにこんなに悩まなきゃいけないんだろう。



はあ、と溜息をついて自分の席に座ると、香織が小走りでやって来た。



…何やら不気味な笑みを携えて。