「ちっ!いいところだったのに。」



ヤスは扉へ向けて舌打ちをかますと、私から降りて扉へ向かう。



「ディナー。行くよ。」



そして、さっきのことなんかなかったかのように振る舞うと、さっさと出て行ってしまう。



「…なんなの、さ。」



思わず呟いた一言が空間に飲み込まれて、なんだか悔しくて私は乱暴にボタンを留め直す。



糞!お礼だというのなら、もっとマシな態度が取れないのか。



ヤスの吊り上がった口角を思い出し、私は再びふつふつと怒りが込み上げた。