【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!

男子のノリのいい奴が無理矢理連れて来たってとこかな。



私は誰かがいつの間にか頼んでいた麦茶に手を伸ばす。



「飛鳥も入れなよー!飛鳥、歌上手いんだから!」



「や、い、いいよ…ほら、香織の番だよ。」



香織は私に歌わせたかったらしいけど、回ってきたマイクを押し付けると忘れたように歌い出した。



楽しいふりをしてなきゃいけないから、リアルに疲れる。



別に行ってないけど塾があるとか言ってごまかして帰ろうかな。



あ、でも、そんな嘘ついたらすぐ香織にバレるか。