数歩歩いた所で後ろから罵声が聞こえた。


殺気に満ちた迫り来る気配…


『「…愚かな人間め…」』


俺は忍を背中に隠すようにして振り返った。


俺は向かってくる男を睨みながら、おもむろに腕を突き出し、指をパチンと鳴らした……



次の瞬間、男の足元から炎が一気に燃え上がった。



「!!!右京!ダメ!!」



忍の声に我に返る。

目の前の炎が嘘のように消えた…



茫然とその様子を見てる男達。


「……悪い…やりすぎた…」


忍は俺の腕にしがみつくと心配そうに見上げた。

それに気付き、くしゃっと忍の頭を撫でるとホッとした表情になった。