その日の夜、忍の部屋を訪れてファッション誌一緒に見てみた。


「右京はこんな雑誌見てもつまらないんじゃない?」

「何か忍が欲しい物見つかるかと思って。」

「ふふ。そういうのはコッソリやるもんでしょ?

堂々とリサーチするのはおかしいわよ。」

「そうか。…実は忍に何かプレゼントしたいんだけど、何をあげたらいいかわかんねーんだよ。」

「いらないわよ。私も右京に用意してないし。」

「俺は別にいらねーよ。」


結局何もいらないの一点張りで、プレゼントすら用意出来そうになかった。


「じゃあ、どっか行こうぜ!」

「明日はダメよ!ケーキ作ったりご馳走作るんだから~」

「ええええ~!?」


しょんぼりする俺に「気持ちだけ貰っとくね」と言って笑った。





24日は終業式で昼過ぎに帰宅すると、忍は忙しそうに料理をしていた。


俺は完全にほったらかしで、終いには「邪魔だからあっち行ってて」とまで言われてしまった。


「相変わらず冷たい…」

「忙しいの!暇ならおじいちゃんの相手でもしてて!」

「…冷たいのぉ…」



閉め出された俺と師範は仕方なく居間のコタツに入ってみかんを食べていた。


「右京、一杯やるか?」

「もう飲むのかよ!つか、俺未成年だっつーの!」


俺の言葉を無視して師範はビールを持って来るとグラスに注ぎだした。