「ん?どした?桜」



空は心配そうに私の顔を覗き込む。



「な、何もないわよっ!!それより早く行きましょ」



私は早く城から遠ざかりたくて早足で歩いた。



――……サァ…
気持ちいい風……
ずっとここにいたいな…



「なぁ、桜…桜は男とかいんの?」



「えっ」



空がいきなりそんなことを言い出すからびっくりした


「い、いないよ!!出来たことないし…だいたい誰かと付き合ったこともないし!!」



私は空を見ながら言った。


「そっか。よかった。」



―――え?



今、「よかった」って言った……?