「俺にはもう桜しかいらない。桜じゃなかったらキスもしたくないし、抱きたくもない。桜しか見えてないから」



空は私を自分のほうに向かせると正面から抱き締めた。



空……。



「私も…よ…。空じゃなかったらキスも嫌だし抱かれたくもない…空しか欲しくないから」



私はそう言うと空の胸に顔を埋めた。



愛しい。



たまらなく愛しい。



もうこんなに好きだって思う人は世界中のどこを探してもいないと思う。



もうあなた以上に誰かを愛しいと思うこともないと思う。



あなたに出会えて



本当によかった……



私達は満点の星空の中、お互いの存在を確かめるように強く強く抱き締め合っていた――…