部屋から出ようとした使用人を見て、私はあることを聞くのを忘れていたのにハッとし、使用人を呼び止めた。 「待って!!」 私は使用人の肩を掴んだ。 「……?なんでこざいましょう、姫様」 使用人は不思議そうな顔をして私を見た。 「空…空は…大丈夫なの?どこに連れていったの!?」 私は焦り口調で言った。 空になにかあったら私――… 「水野は…無事ですよ」 「よかった…どこに連れていったの!?私はそれが一番聞きたいの!!」 使用人は困った顔をしてうつ向いた。