楽しみにしていたその日のこと、一年前の出来事をちゃんと話せばよかった。 少し後悔しながらも、何となく自分だけの宝物にしておきたくて。 結局、喧嘩したまま再びここを訪れた。 冷たい北風が身に染みて、黒いロングコートの裾は激しく揺れる。 髪はかき乱れてぐちゃぐちゃで、そこに着いた時にはもう体は冷え切っていた。