「つーかお前んち、どこだよ」


諦めるのがずいぶん早くなったもんだなぁ、なんて自虐的に思いながらも紫に尋ねる。


「んー、分かりにくいとこだから。
いいよ、悠君ちまでで」


そりゃ助かる。

ぶつくさと文句を言いながらも、結局紫をおぶり、見た目よりずっと軽いことに驚く。

こんな体に、よくもあんな体力が隠されているものだ。

軽く尊敬してしまう。

俺もガキの頃はそうだったのかな。

高校生に走り勝つだけの体力が……

いや、やっぱりそれはない。

あってたまるか。

むしろ、小学生に走り負ける俺に問題が、とは考えない。

考えたら負けだ。