「……あのー、紫さん」


沈黙に耐えかねて思わず話しかける。


「なに」


「怒ったりしないんすか」


「別に」


あれ。


「……ていうか、撫でられたこととかないから、新鮮、っていうか」


ぼそぼそと言う紫。

恥ずかしげにしながらも、素直なその呟きに、何故かこちらが照れてしまう。


つーか何、この子、親にも撫でられたことないの。