「ここなら平気でしょ」


と言われ顔を上げると、ささやかな小川が目の前に現れた。


……水遊び、ってことか?


「これなら走り回らなくて済むでしょ」


めっちゃ気つかわれてないか俺。

子供に気をつかわれる高校生て。

……いやうん、まぁ、いいか。


早速ヒザまで水に浸かる紫をぼんやり眺めながら、俺も堤防に座り、割と綺麗なその川に足を入れた。

予想していた温度よりも冷たいのに驚くが、慣れると気持ちいい。