今日も今日とて暑いったらありゃしない。

これで午前中だというのだから気が滅入る。

しかし紫は全く余裕の素振りで、長い黒髪を爽やかにふわりとなびかせている。

彼女の肌はさらりと乾いていて、汗などかいている様子もない。

紫の周りだけまるで違う季節のようだ。


「なんでお前、暑いのそんなに平気なの」


「悠君が弱過ぎるんだよ……」


情けない、とでも言いたげな声。

田舎っ子の体力と比べるな。育ちが違うんだよちくしょう。

しかし子供相手にそんな情けないこと言えない。

無力な俺はただ口を閉ざす。