「ケータイも圏外だし……」


何度も確認したことを、わざわざ声に出して確認する。

ため息をつきながらケータイを畳み、再び庭に目を向け、


「うぉっ!」


情けない声を上げた。


先ほどまで誰もいなかった庭に、少女が立っていたのだ。