座敷わらしの恋

「やっぱりね」


紫はそう言って笑った。


「でも、私は覚えてるよ。たくさん、たくさん」


「なぁ、ずっと気になってたんだけどさ」


「ん?」


「それ、誰かと勘違いしてるんじゃないのか?」


だって俺はこんなにも覚えていないんだ。

キリ姉のことはよく覚えているのに、紫の記憶なんて、全然ないんだ。

おかしいじゃないか。

さすがに一つくらい覚えていたっておかしくないのに、俺は木登りだって、水遊びだって、こいつと遊んだ記憶なんかない。