座敷わらしの恋

「つーか、お前が座敷わらしなんじゃねーの?」


「はぁ?」


俺の冗談に紫が呆れたように笑う。

まぁ俺は半分本気で言ってるんだが。

だって高校生に走り勝つ体力とか、真夏の日差しの下で汗一つかかずに日焼けもろくにしてないとか、もう化け物みたいなもんだろ。

そうだ、俺はいたって標準的な男子高校生なんだ。

別に俺が標準以下とかもやしとかそんなことはない。

こいつが人間離れしているだけの話なのだ。


「声に出てるんですけど?」


「ぬな!」


下から睨んでくる紫に反射的に愛想笑い。

いや遅いって俺。