座敷わらしの恋

「ねぇ悠君」


先ほど取ってやった水ヨーヨーでぽんぽんと遊びながら、ふと紫が声をかけてきた。


「この祭りの由来って知ってる?」


「あぁ、当たり前だろ? 座敷わらしの祭りなんだろ?」


昨日知ったばかりの情報のクセに、俺はまるで前から知っていましたと言わんばかりに言ってみせる。

紫は「へぇ」とちょっと嬉しそうに感心してみせた。