座敷わらしの恋

「な、なんで? だって、フツー、そっち選ぶでしょ?」


「いやだって、お前との先約あるじゃん」


フツーってなんだよ。

笑いながら俺は答える。



約束を破ってはいけないのは当たり前の話じゃないのか。

俺はへたれでもやしだが、だからこそ人に嫌われたりするようなことが嫌いだ。

おかげで惜しい思いをしたことも何度もあるが、それはまぁ仕方ないことだ。

つーか今回のこともこれまでにないくらい惜しかったけど。

それでも、やはりそのルールを破る気にはならなかった。

破ったら破ったで後悔してしまいそうで。

なんか、そういうのって意地があるじゃん。

守れる内は守っておきたいじゃん。



できれば、ずっと。