座敷わらしの恋

俺はなんだか無性に安心して、紫の頭をぽんぽんと撫でながら、「よしよし」なんて言ってみる。

紫は視線を相変わらず下に彷徨わせたまま、何も言わない。


「あのさ」


「……うん」


「キリ姉には夏祭り誘われたけどさ」


「うん……」


「断ってあるから」


「えっ」


紫が驚いたようにこちらを見上げた。

ようやく顔をこっちに向けたな。