座敷わらしの恋

受話器を肩と耳に挟めたままどうにか小銭を拾っていると、受話器からぶつっと音がした。

続けて、プーップーッという切ない音。


「マジかよもう……」


だせぇ、と呟き、ため息をつきながら小銭を拾い集める。

結局、十円も百円も財布には入ってなかった。

ケータイならこんなことないのに。後の請求が怖いけど。

って、俺が俺のケータイ持ってても、俺のケータイにかけらんねーじゃん。意味ねーよ。


「はぁ……」


「何してるの、ばーか」