「よく分からないけど、誰からも無視されてて、だから、いつも僕と話してるんですけど、いつも寂しそうで」


あいつが寂しそうなところなんて想像つかねーな、なんて思いながらも、俺は少年の言葉の続きを待つ。


「でも、おにいさんが来てからは毎日嬉しそうに笑ってるんです。だから、その……」


そこで少年は、何かを言おうとして口ごもる。

何か言いたいのに、言葉が足りなくて出てこないような、そんな感じだ。


「あー、大丈夫だって」


俺は彼の頭に手をぽんと置きながら笑いかける。

何が大丈夫なのかは自分でもよくわかっていないけど。