「つーか、ストップストップ。止まれって。
なんだよ、どうしたんだよ」


「どうしたもこうしたもないし! 別に!」


「いやめっちゃ怒ってんじゃん」


「怒ってない! うるさい!
ばーか! 幸せになっちゃえ!」


言うなり、紫は駆け出して行ってしまった。

どういう捨て台詞だよ。

つーか、もう姿見えねーし。


「やれやれ……」


嵐のようなヤツだな。

行ってしまったものは仕方ない。

まだ眠いし、もう一眠り……とはいかなかった。


「こういう時は、追いかけるべきだよなぁ、さすがに」


ため息をつきながらも、俺は靴を履いた。