「ちょっと。昨日の女、誰よ」


翌日、やってきた紫の表情は素晴らしく不機嫌一色だった。

わざとらしく頬まで膨らませている。

それにしても、相変わらずませた台詞だ。


「見てたのかよ……」


若干まだ寝ぼけた頭を掻きながら俺は答える。


「見てました、悪い?
いいじゃない、気になったんだから!」


開き直ってるよこの子。

ある意味素直ですね。


「で、誰!」


なんでそんな怒ってんの。