少年は野球帽を被って、棒付きの飴を食べている ―お前は? 「天城 弘(あまき ひろ)。ヒロって呼んで。」 ―ヒロか。俺は伊丹 将吾。ショウって呼んで。 「ショウ君。」 ヒロは俺が歳上だからか、君づけした。 「聞きたいことがあるんだ。」 ―なんだい? 「生きたいの?」 何だか凄い質問だった まさかこんな幼い子供に、生死の選択を質問されるなんて ―生きたいよ。 「そっか。何で死にかけてるの?」