青騒のフォトグラフ―本日より地味くんは不良の舎弟です―




等間隔に並んでいるコンテナの街を通り抜けた先に見える目的地。


ぺろっとアキラは口角を舐め、速度を上げるためにアクセルを回す。


向こう入り口と貫通している裏口は自分達を待ち構えているように、大きな口を開けて待っていた。


「ん?」


アキラは裏口に数人、五十嵐の仲間らしき不良らしきニンゲンを発見する。


このまま突っ込めばキャツ等と激突する可能性も「アキラ、進め」


「奴等が避けてくれるだろ。合図も送ってやるんだしな。速度は落とすな」


呆気に取られ思わず目を点、次いでアキラは大笑いした。


言うと思った。さすがは我等がリーダー。


言っている事がめちゃくちゃ過ぎる。人を轢いてしまえばどうなるか分かっているだろうに。まあ、事故なんてヘマは絶対に起こさないが。


アキラは命じられるがまま速度を落とさず、ヤマトは頃合を見計らって右指で輪を作り、それを口に銜えると甲高く音を鳴らした。



合図にまずはアキラがバイクのホーンを、次に後ろから追っているワタルが、協定達が次々にバイクのホーンを鳴らし始める。


エンジンとホーンの音、それにバイクのライトに敵は自分達の存在に気付いたよう。


しかし加速している機械を止められる筈も無い。


敵達は蟻の子のように散り、立ち塞いでいた出入り口を明け渡してくれる。


よってヤマト達本隊は難なく倉庫に突入する事が出来た。


その間もホーンは鳴らし続ける。

少しでも向こうに本隊の存在を知らせるために。







その時、ヨウは炸裂する鉄パイプの物騒な攻撃を避けているところだった。


ブン―――ッ!


振り下ろされる鉄パイプを避けた刹那、待ち望んでいたバイクのホーンが聞こえ、


「やーっとおいでなすった!」


思わず喜色を表情に滲ませる。


音に相手が何事だと怯んだ隙を見て、拳で顎を突くと音の方へ視線を流す。


倉庫の向こうから見えるのは無数のライトとバイク。


なんと、ヤマトは本隊だけでなく協定も率いてきたようだ。


想像以上の援軍に綻んでいると、先頭を走ってきたアキラ・ヤマトペアが乱闘のど真ん中に侵入してきた。


そしてバイクの速度が落ちていないにも関わらず、


「なッ、馬鹿ヤマト!」


アキラの制止も聞かず、本隊の指揮官は勢いよくバイクから飛び降りた。一歩間違えれば大怪我を負う行為もなんのその。

半月の光に照らされながら綺麗に着地し、ふわっと青メッシュの入った髪を夜風に靡かせる。


「うーっわ。なんて登場の仕方。キザな奴め」


ヨウは開口一番に悪態をつく。


「るせぇよ」左手を腰に当て、右手で横から飛んでくる敵の拳を受け止めるヤマトは澄まし顔で鼻を鳴らした。


ケッ、ますますキザで妙に腹が立つ。


作戦が予定通り決行されたのは嬉々であるが、それにしてもあの態度。苛立たしく思うのは自分だけだろうか?


キザキザキザと文句垂れるヨウだったが、


「お前もだろ」


ヤマトと同じ事をしたではないかとシズにツッコまれた。


ご尤も、ヨウも身の危険を顧みず、バイクから飛び降りて綺麗に着地とキザ紛いなことをし、シズ達を呆れさせた。


ツッコミを入れられ途端にヨウは勿論、ヤマトも表情を引き攣らせ、暫し沈黙。


そして「パクるな」ヤマトが盛大にガンを飛ばしてきた。


いやいや、完全にパクりと称されるべき行為をしたのはヤマトではないか。自分が言うべき台詞だ、それ。


だがしかし同じ事をしたという現実がヤマトには受け入れがたいのか、能無し、パクることしか能がないのかと理不尽な言い掛かりをつける。

そりゃこっちの台詞だとヨウは青筋を立て、相手に大反論。