「健太。俺の勝ちだ。お前のクールな性格は俺の前じゃ通用しない!」

「こ、この野郎……あ、ああぁあああアキラさん! 違うんです! 今のは本当に!」


作られた性格が剥げ落ち、どんどん素の顔が出してしまうことに健太は焦っているようだった。


ニマニマと笑っている魚住は「わしはそっちが好きじゃい」なんでもっと早くからその性格を見せなかったのだと告げ、狼狽えている地味不良の首を絞めている。


もがいている健太はこんなつもりじゃなかったのに、と嘆きながら四肢をばたつかせていた。


そんな健太の肩に手を置いて俺はどんまいと声を掛けた。


お前のせいだと怒鳴られたのは直後のことだ。




でも実の話。


「ケン。ヤマトがお前の調子乗りを暴露しとったから、ある程度は皆にばれているぞい。素直に素を曝け出す方が後々のためだと思うのう」


「う、うそ……!」


魚住からぶっちゃけ話を聞かされ、すこぶる健太が落ち込んでいたのは余談にしておく。


やっぱ調子乗りはいずればれるんだよ、健太。どんまいだぜ!



⇒#07