陰男子という名の勇気を振り絞っておずおずとヨウに意見する。


「俺はヨウの舎弟だし二人だってもうヨウ達と関わった。関係ないけど関係あるだろ? 関わるなって言われても、多分もう手遅れだと思うぜ。俺なんて日賀野に二度も絡まれてるんだし」

「これで関係ないって言われて突っ返されたら、私、ヤマト達のとこに行っちゃうかも」

「えええっ 弥生ちゃん。ほ、ほんとに?」


「嘘だよ、ココロ」


オドオドするココロに弥生は舌を出した。

ココロはもう、と呆れたような顔で微苦笑を漏らす。俺達の気持ちに満足したヨウは、改めて、俺達を見据えるとハッキリ言った。


「これからはグループじゃねぇ。チームだ。俺達はチームとしてこれから動く。もう、ヤマト達から何度もちょっかい出されるような、ちんたら適当につるんでるグループじゃねえ」


ヨウはブランコ側に落ちていた空き缶を拾いに歩き始める。


「正直言うと、俺は前々から奴等のことは潰してやりたかった。ワタルやシズ、モトと何度か、ヤマト達の仲間を潰したことはあるけど、本格的に潰してやる機会はなかなかなかった」


空き缶を拾ったヨウはグシャッと片手でそれを握り潰す。



「けど宣戦布告した以上、もう引けねぇし。分裂した事件がどうのこうの……じゃねえ。これは俺達のプライドがかかってるッ、と!」



空き缶を設置されているごみ箱へと放り投げて俺達に振り返った。



「俺達の目的はひとつ、ヤマト達を潰す。そのためのチームを此処で結成だ。いいな、テメェ等。奴等にヤラれることがあっても、ぜってぇ負けんじゃねえぞ」



ヨウの言葉を聞いて俺は目を伏せた。

今をもって俺は完全に不良の世界に両足を突っ込んだ。もう、逃げられない。




⇒№03