「―――…モトで最後だな。うっし全員揃った」

 
 
ブランコに乗って、悠々と立ち漕ぎしていたヨウは、全員揃ったことに満足気に頷いて勢いよくブランコから飛び降りた。

反動でギィ……ギィ……と公園に金属の軋む音が鳴り響く。


けど誰もその音に目をくれる奴はいなかった。

隣のブランコに腰掛けていた俺も、ヨウの後を追うようにそれから降りてみんなに歩み寄る。

 
最初に公園に来たのはワタルさんだった。
 
はじめから学校をサボってたみたいで俺達が公園に到着する頃に合流した。

その次はハジメと弥生。授業の最中にも関わらず抜け出してやって来たらしい。


次に響子さんとココロ。

一時限目だけ授業を受けて抜け出してきたようだ。
地味真面目ちゃんのココロまで抜け出してくれるのは意外って思った。マジで。

 
最後はモトだ。中学校から公園まで若干距離がある。だから一番最後にやって来た。

 
つまり誰一人欠席せずに、この場に全員揃ったということだ。
  
一部を除いて、みんな、何となく呼び出された雰囲気を察してるんだろうな。


「ヤマトのこと?」


ハジメが開口一番にヨウに疑問を投げ掛けた。

ヨウは頷いて昨日のこと、宣戦布告してきたことについて話し始める。

さして誰も驚く様子はなく、そういう展開になって当然だという顔をした。
 
 

だよなぁ。



ずっとちょっかい出され続けていたみたいだから、そういう展開になってもおかしくないよな。